『UFOがくれた夏』 川口雅幸 ネタバレ注意
川口雅幸作の児童書。
ひょうたん型は ニッキ水 のビンらしい。
主人公は3か月前に白波小学校の転校してきた小学6年生の吉野遼哉。ヒロインは席替えの時に隣の席になった染井晴香。晴香は沖縄から越してきた長い黒髪の超絶美人。晴香の仕草や言葉のひとつひとつにドキドキしっぱなしの遼哉は、通学路が同じ晴香と毎朝一緒に登校していた。学校でも二人は仲が良かったが、帰りは別々。晴香は毎日寄るところがあるらしく、いつも急いで下校してしまうからだった。
遼哉と晴香がいる6年2組は、5年のときに学級崩壊を起こした問題児の多いクラス。転校生の遼哉はなるべく目立たないようおとなしく無難に毎日を送っていた。クラスでの話題と言えば、最近ひんぱんに見かけるようになった不思議な光。クラスメイトはそれをUFOと呼んでいた。
一方、遼哉はしばしば不思議な夢を見ていた。夢の中で遼哉は「ショウちゃん」と呼ばれており、「カヲリ」という名の少女が現れるのだった。「ショウちゃん」も、「カヲリ」も遼哉にはさっぱり覚えがない。なぜ見ず知らずの少年と少女が夢に現れるのか不思議に思っていた。
毎日海辺を通って学校に通う遼哉の楽しみはビーチコーミング。ビーチコーミング(Beach combing)とは、海岸などに打ち上げられた漂着物を収集の対象にしたり観察したりすること。遼哉が一番好きなのは ビーチグラス だった。
そうした中、遼哉は海岸で不思議なモノを2つ拾った。
ひとつは、紙が入ったひょうたん型のビン。いわゆるメッセージボトル。激レアな漂着物だ。中には手書きではなく、砂浜に書いた横書きの文字を写した古い写真が入っており、「ソラモアヲミキニワトリヲカニタコ」と読めた。これを遼哉は、「空も青 幹には鳥 丘に凧」と読み解いたのだが、謎の暗号のような言葉の意味がわからなかった。
もうひとつは三角形の赤い瓦のようなガレキ。このガレキは瞬間移動してついてきて、突然遼哉に話しかけてきた。「レキオ・レオナルトゥ」と名乗るガレキはずいぶん偉そうな口調で、遼哉に、恋のキューピッドになって晴香との縁結びをしてやると言う。
レキオに言われたとおり、帰りにサンカレドニア公園に寄ってみた遼哉は、そこで1人座って泣いている晴香に出会った。こっそり携帯電話を持ち歩いている晴香が時折誰かと親しそうに電話で話しているのを遼哉は知っていた。晴香の話し相手は沖縄にいる彼氏なのだろうか?
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『UFOがくれた夏』は、アニメ映画にもなった『虹色ほたる』の原作者、川口雅幸の作品。
『虹色ほたる』で宮司の話の中に出てきた戦争の話が、本作ではもっと鮮明に描かれます。
それにしても、主人公が吉野遼哉でヒロインが染井晴香ってね。 (^^
二人合わせて、染井吉野=ソメイヨシノ。桜のモチーフは後半に明かされる二人の前世、蓮沼翔一郎と小谷カヲリの運命にかかわる『桜花』につながっています。『桜花』というのは、第二次大戦末期に登場した特攻兵器らしいです。
桜花(おうか、旧字体:櫻花)は、日本海軍が太平洋戦争中に開発した特殊滑空機。特攻兵器として開発され、実戦に投入された。

特徴
「桜花」は機首部に大型の徹甲爆弾を搭載した小型の航空特攻兵器で、母機に吊るされて目標付近で分離し発射される。その後は搭乗員が誘導して目標に体当たりさせる。一一型では母機からの切り離し後に固体燃料ロケットを作動させて加速、ロケットの停止後は加速の勢いで滑空して敵の防空網を突破、敵艦に体当たりを行うよう設計されていたが、航続距離が短く母機を目標に接近させなくてはならないため犠牲が大きく、二二型以降ではモータージェットでの巡航に設計が変更されている。日本海軍では本土決戦への有力な兵器と見なし、陸上基地からカタパルトで発進させることができる四三乙型などの大量配備を図ろうとしていた。

(中略)
終戦までに11型が製造され755機生産された。桜花で55名が特攻して戦死した。専門に開発され実用化された航空特攻兵器としては世界唯一の存在と言われる。
(中略)
また、桜花は本土決戦の為の有力兵器と看做され、弱点の航続距離の延長型や地上から発射可能な桜花などの開発も進められたが、実戦に投入されることは無かった。
出典 : ウィキペディア 『桜花』
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遼哉は気付きませんでしたが、小さい頃に遼哉は沖縄を旅行しており、そこで晴香と出会い、数日間ですが一緒に遊んでいました。晴香はそのとき遼哉からもらったハート型をしたコバルトブルーのビーチグラスを大切に持ち歩いていました。
つまり、晴香はずっと遼哉のことが好きだったのでしょう。 (´▽`)
コバルトブルーは鮮やかな青色ですから、白、茶色、水色などが多いビーチグラスの中ではレアなほうでしょう。その中でも遼哉が探していたのはハート型ですから、滅多に見つからなかったのも当然でしょう。元は化粧品か、薬品のビンでしょうかね。 (^^
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「ソラモアヲミキニワトリヲカニタコ」の謎解きですが、横書きだったことがヒントです。
戦前は、日本語を横書きするとき、右から左に書いていました。
つまり、逆読みすればわかるのです。
コタニカヲリ トワニ キミヲ マモラン
小谷 カヲリ 永久に 君を 守らん
意味を知らない遼哉は、「ン」を「ソ」、「マ」を「ア」と読み間違えたのでした。

主人公は3か月前に白波小学校の転校してきた小学6年生の吉野遼哉。ヒロインは席替えの時に隣の席になった染井晴香。晴香は沖縄から越してきた長い黒髪の超絶美人。晴香の仕草や言葉のひとつひとつにドキドキしっぱなしの遼哉は、通学路が同じ晴香と毎朝一緒に登校していた。学校でも二人は仲が良かったが、帰りは別々。晴香は毎日寄るところがあるらしく、いつも急いで下校してしまうからだった。
遼哉と晴香がいる6年2組は、5年のときに学級崩壊を起こした問題児の多いクラス。転校生の遼哉はなるべく目立たないようおとなしく無難に毎日を送っていた。クラスでの話題と言えば、最近ひんぱんに見かけるようになった不思議な光。クラスメイトはそれをUFOと呼んでいた。
一方、遼哉はしばしば不思議な夢を見ていた。夢の中で遼哉は「ショウちゃん」と呼ばれており、「カヲリ」という名の少女が現れるのだった。「ショウちゃん」も、「カヲリ」も遼哉にはさっぱり覚えがない。なぜ見ず知らずの少年と少女が夢に現れるのか不思議に思っていた。
毎日海辺を通って学校に通う遼哉の楽しみはビーチコーミング。ビーチコーミング(Beach combing)とは、海岸などに打ち上げられた漂着物を収集の対象にしたり観察したりすること。遼哉が一番好きなのは ビーチグラス だった。
そうした中、遼哉は海岸で不思議なモノを2つ拾った。
ひとつは、紙が入ったひょうたん型のビン。いわゆるメッセージボトル。激レアな漂着物だ。中には手書きではなく、砂浜に書いた横書きの文字を写した古い写真が入っており、「ソラモアヲミキニワトリヲカニタコ」と読めた。これを遼哉は、「空も青 幹には鳥 丘に凧」と読み解いたのだが、謎の暗号のような言葉の意味がわからなかった。
もうひとつは三角形の赤い瓦のようなガレキ。このガレキは瞬間移動してついてきて、突然遼哉に話しかけてきた。「レキオ・レオナルトゥ」と名乗るガレキはずいぶん偉そうな口調で、遼哉に、恋のキューピッドになって晴香との縁結びをしてやると言う。
レキオに言われたとおり、帰りにサンカレドニア公園に寄ってみた遼哉は、そこで1人座って泣いている晴香に出会った。こっそり携帯電話を持ち歩いている晴香が時折誰かと親しそうに電話で話しているのを遼哉は知っていた。晴香の話し相手は沖縄にいる彼氏なのだろうか?
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『UFOがくれた夏』は、アニメ映画にもなった『虹色ほたる』の原作者、川口雅幸の作品。
『虹色ほたる』で宮司の話の中に出てきた戦争の話が、本作ではもっと鮮明に描かれます。
それにしても、主人公が吉野遼哉でヒロインが染井晴香ってね。 (^^
二人合わせて、染井吉野=ソメイヨシノ。桜のモチーフは後半に明かされる二人の前世、蓮沼翔一郎と小谷カヲリの運命にかかわる『桜花』につながっています。『桜花』というのは、第二次大戦末期に登場した特攻兵器らしいです。
桜花(おうか、旧字体:櫻花)は、日本海軍が太平洋戦争中に開発した特殊滑空機。特攻兵器として開発され、実戦に投入された。

特徴
「桜花」は機首部に大型の徹甲爆弾を搭載した小型の航空特攻兵器で、母機に吊るされて目標付近で分離し発射される。その後は搭乗員が誘導して目標に体当たりさせる。一一型では母機からの切り離し後に固体燃料ロケットを作動させて加速、ロケットの停止後は加速の勢いで滑空して敵の防空網を突破、敵艦に体当たりを行うよう設計されていたが、航続距離が短く母機を目標に接近させなくてはならないため犠牲が大きく、二二型以降ではモータージェットでの巡航に設計が変更されている。日本海軍では本土決戦への有力な兵器と見なし、陸上基地からカタパルトで発進させることができる四三乙型などの大量配備を図ろうとしていた。

(中略)
終戦までに11型が製造され755機生産された。桜花で55名が特攻して戦死した。専門に開発され実用化された航空特攻兵器としては世界唯一の存在と言われる。
(中略)
また、桜花は本土決戦の為の有力兵器と看做され、弱点の航続距離の延長型や地上から発射可能な桜花などの開発も進められたが、実戦に投入されることは無かった。
出典 : ウィキペディア 『桜花』
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遼哉は気付きませんでしたが、小さい頃に遼哉は沖縄を旅行しており、そこで晴香と出会い、数日間ですが一緒に遊んでいました。晴香はそのとき遼哉からもらったハート型をしたコバルトブルーのビーチグラスを大切に持ち歩いていました。
つまり、晴香はずっと遼哉のことが好きだったのでしょう。 (´▽`)
コバルトブルーは鮮やかな青色ですから、白、茶色、水色などが多いビーチグラスの中ではレアなほうでしょう。その中でも遼哉が探していたのはハート型ですから、滅多に見つからなかったのも当然でしょう。元は化粧品か、薬品のビンでしょうかね。 (^^
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「ソラモアヲミキニワトリヲカニタコ」の謎解きですが、横書きだったことがヒントです。
戦前は、日本語を横書きするとき、右から左に書いていました。
つまり、逆読みすればわかるのです。
コタニカヲリ トワニ キミヲ マモラン
小谷 カヲリ 永久に 君を 守らん
意味を知らない遼哉は、「ン」を「ソ」、「マ」を「ア」と読み間違えたのでした。
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