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ウチ猫 永眠





昨日の夕方、ウチの猫が永眠しました。享年13歳。


10日くらい前から変な咳をしてたのですが、季節の変わり目だし風邪かなと思ってました。咳はおさまったのですが、目に見えて元気がなくなってきたのは2~3日前くらいからで伏せの姿勢のままほとんど動ないようになりました。それでも、亡くなった当日の昼まではボクの膝の上でくつろいだりしてたのですが、息子がどうしても病院に連れて行くというので病院に連れて行きました。昨日は日曜日だから動物病院も休診だと思っていたのですが、ネットで調べると午後7時まで診療している病院があったので夕方5時頃にツレが息子と一緒に猫を病院に連れて行きました。


ボクは一緒に行きませんでした。ウチの猫は12年前、生まれて半年頃に去勢手術をしてから病院に連れて行かなきゃいけないような病気を一度もしなかったからです。それに、重病だとしてもウチで息を引き取らせてやりたいという気持ちもありました。毎日トイレ掃除をしたりご飯や水をあげていたのはボクでしたから、老猫がなりやすい腎臓の病気ではないという確信はありました。でも、本当は猫にストレスを与えたくなかったのです。


ウチの猫は病院で亡くなりました。レントゲンを撮るとき、おそらくは猫が動かないようにベルトか何かで固定したのでしょう。スゴイ声で叫んだそうです。エックス線撮影の結果、肺のすぐ下に硬い腫瘍ができていて肺を圧迫して水がたまっていたそうです。注射針で水を抜けば数日は延命できるとのことでしたが、そうこうしているうちに絶命してしまいました。結果的にエックス線撮影のストレスでショック死したのでしょう。


帰ってきたときにはすでに遺体になっていました。息子は猫を抱いて泣いていました。ボクも抱いてあげました。病院で体重を量ったら5キログラムもあったそうで、ずっしりと重かったです。亡くなったばかりで死後硬直もしておらず、まだ生きているようでした。目を閉じさせようとしましたが完全に閉じさせることはできず、薄目を開けた状態でした。薄目を開けた顔は生前よく見る顔でしたのでやはり生きているようでした。


息子は翌朝早くに出かける予定がありましたので、夕方のうちに庭に埋葬しました。実は埋葬する場所はすでに決めていました。南玄関前の日当たりのよい場所です。以前に胸当てにリードを付けて庭でひなたぼっこさせていた場所のすぐ近くでした。何度か胸当てを器用にすり抜けて近所の猫と大ゲンカをしたことがあり、また、家の前の道路は交通量が多いのでそれ以来外には出さないようにしていたのですが、玄関ドアの前で外に出してくれと言わんばかりに座っていることがよくありました。それで玄関前の場所を埋葬場所に決めていたのです。


大柄な猫なので十分な深さと大きさの穴を掘るのに汗だくになりました。大型スコップで頑張って掘ったのですが、40センチほど堀ったところで硬い土に当たり限界。埋葬することにしました。そのまま埋葬しようと思ったのですが、雨で土が湿っており息子が土にまみれて埋葬するのはかわいそうだと言うので、穴の底に柔らかい紙を敷いて猫を寝かせました。ボクとしては土の上でゴロンゴロンと転がりながらひなたぼっこをしていた猫を知っているので、猫も土にまみれるくらいは嫌ではないだろうと思ったのですが、息子の言うとおりにしました。


「足のほうからそっと土をかけてやって」と息子に言うとためらいながら土をかけました。その後はボクが少しずつ土をかけて埋葬しました。上から手で軽く土を押さえてならし、とりあえず埋葬終了。人間と同じようにちゃんと火葬にすることも考えたのですが、火葬にするのは抵抗がありました。なんかね。かわいそうな気がしたのです。特に根拠はないのですが、早く埋葬してやりたいという気持ちもありました。遺体があると息子も猫を見て悲しいでしょうし、息子は翌日早朝から数日留守にしないといけなかったですから。


時々ウチの庭に不法侵入して庭のあちこちを掘り返す隣のミーちゃんに荒らされないように、お墓の上にとりあえずレンガを並べてのせてあります。もうすぐ花の種まきの季節です。お墓には花の苗を植えて花壇にしようと思っています。大好きだった玄関前の日当たりのいい場所で永眠できれば、猫もきっと喜んでくれるでしょう。ちなみに猫の名前は『レオ(正確にはレオナルド・ニャビンチ)』一番平凡な名前。そして一番平凡なサバトラ。母親はノラの子で『テレサ』という立派な名前でした。育児放棄された他の子猫にも母乳を与える寛容な母親に似て、レオも温厚で人なつこくておとなしい猫でした。





さよなら。レオ。ウチでの生活はそこそこ快適だったかな。



息子はただ単に『ネコ』と呼んでましたが。(^^;







にしても。病院に連れて行ってよかったのかな。結果的に死期が早まったような気がします。ツレの話によると知らない場所に連れて行かれてエックス線撮影のために固定されたことがストレスになってショック死したようだったとのこと。ウチではあまり苦しんでいる様子は見られなかったので、ウチで亡くなったほうが幸せだったかもしれません。ボクはそのつもりだったのですけれどね。でも。息子としては病院に連れて行って診察してもらったことで「最善を尽くした」という気持ちもあるようでした。


ボクはすでに両親を亡くしていますが、不思議と悲しいという気持ちはあまり感じません。霊魂や死後の世界を信じているからでしょうかね。写真でしか会えなくなってしまっても、今も近くにいてくれるような気がするのです。ウチの猫も今、窓際でひなたぼっこしてるか、ボクの膝の上でくつろいでいるかもしれません。ボクが死んだら、ウチの猫にも会えるような気がします。人なつこい猫でしたから、ボクが逝ったらすでに他の人になついているかもしれませんが。呼んだら思い出してそばに来てくれるかな。








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テーマ : 伝えたいこと・残しておきたいこと
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猫のお墓と地震の話





ボクの姉はネコが大好きで今もネコを一匹飼っています。


姉が飼ってるネコの種類は以前に一度聞いたけど忘れてしまいました。ちょっと変わっているのは耳の先がちょっとだけ逆向きに反り返っていることです。たぶん、突然変異の個体でしょう。突然変異個体は他にも変異を起こしていることが多いらしく、このネコは自分で水を飲まないため、数時間ごとに専用のスポイトで水を飲ませてやらないといけないんだそうです。インターネットで購入したそうですが、なぜ姉がそんな手のかかるネコを購入したかはわかりません。本来であれば自然淘汰されてしまう個体でしょう。


世話好きな姉は悠々自適な暮らしをしながらひたすらおネコ様に仕えることを生きがいにしているようです。にしても自分で水を飲まないってね。信じられません。ほおっておくと脱水症で死んでしまうのでしょうか。かわいいネコなのですが、ボクが姉の家に遊びに行ったときはソファーの下にずっと隠れていて出てきませんでした。人見知りするネコさんなのです。姉は今独り暮らしなので姉以外の人間に慣れていないのでしょう。おうおうにしてあることだと聞いています。


そのため、もし姉が病気などで入院するとかして面倒をみられなくなった場合はボクに面倒みてほしいと言われています。そういわれてもね。自分で水を飲まずなつかないネコの面倒をみるのは正直荷が重すぎます。そうならないように姉がいつまでも元気でいてくれることを願うばかりです。




姉の家の前は見通しが悪いうえに交通量が多く、過去に何匹もネコが車に轢かれて死んでいるそうです。なので姉はネコを完全に部屋飼いしているのですが、ネコは外に出た経験がないせいか、特に外に出たがる様子もなく、姉の家自体がかなり広いので幸せに暮らしているようです。


ちょっと驚いたのは、姉は自分の家の近くで車に轢かれて死んでいるネコを自宅の庭に埋葬していることです。最近は条例でペットを自宅の庭に埋葬してはいけないことになっているそうなのですが、姉はそんなことにはおかまいなしで見知らぬネコさんたちを自宅の裏庭に埋葬しているとのこと。姉の家の裏庭を掘ると何体ものネコさんの遺骨が発見されることでしょう。ちょっとホラーな気がしました。






さて、ウチのネコも今年で13歳になります。かつてのように元気よくジャンプしたり猛ダッシュで駆け回ることもなくなり、体に衰えが出ているのがわかります。最近心配なのは、時々咳をして止まらなくなることです。今のところ苦しがる様子がないので風邪かなと思っているのですが、苦しむようなら病院につれていかなきゃいけないですが、手術とかは嫌ですね。もう老猫ですからね。痛い思いをしてまで長生きさせるのもかわいそうかなと思います。


死んじゃったらどうするかなと思うこともあります。きちんと火葬しても遺骨にすべきか、遺体を保健所にひきとってもらうか。法律上はこの2択になるわけですが、ボクとしては庭の日当たりのよい場所に埋葬してあげたいのですね。違法かもしれませんが、できればあんなに出たがっていた庭に埋葬してやりたいなと思ったりするのです。部屋飼いのネコにとっては窓から見える数メートルの範囲(それ以上先はよく見えないらしい)まで自分の縄張りだそうですしね。


そう。ウチの家も姉の家と同様、前の道路の交通量が多くてしばしばネコさんたちが命を落とす危険な場所なのです。若い頃は長いリードをつけて庭で日向ぼっこをさせていたこともありましたが、庭をウロウロしてリードが庭木にからまったり、ある日リードを付けていた胸当てをすり抜けて逃走し、お隣のネコと大ゲンカことがあってからは家から一歩も出さないようにしているのです。交通事故から命を守るためとはいえ、ネコはそんなことまったくご存じないので不満なことでしょう。しばらくは玄関の前で「外に出してほしいにゃー」とアピールしていたのですが、最近はそれもなくなりました。





ネコが老いるということはボクも日々老いているということでもあります。まだあの世に行くにはしばしの年月を待たねばなりませんが、人間なにがあるかわかりませんからね。明日生きている保証は何もありません。息子は春休みを利用して能登にボランティアに行ってきました。そのときに撮った写真を見せくれたのですが、1階が車庫になっている3階建ての鉄筋ビルが無残に横倒しになっていました。ビルの下敷きになって亡くなった人がいるとか。古い建物だったのでしょうかね。


能登地方は比較的地震が少なくて地震保険の保険料は最低ランクだったそうですが、地震保険そのものに加入していない世帯も多かったそうです。日本列島はどこに住んでいても地震のリスクがあるということを改めて知らされました。それでもボクが今の家に住み続けるのは他に住むところがないからですが、できれば最新の鉄筋コンクリートのマンションに住みたいかな。それだって絶対安全とは言えないけれど。








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裁判は復讐ではない。





保育園で1歳の園児に塩分を与え過ぎたために死亡に至った事件で、園長が刑事責任を問われた事件です。罪名は業務上過失致死罪。記事では民事訴訟が係争中となっていますが、民事訴訟のほうでは和解により解決しています。


判決文全文を読みたかったのですが見つけられませんでした。どなたか判決文全文が掲載されているサイトがあれば教えてください。


以下、記事を2つ引用します。


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【園児食塩中毒死】元園長の吉田直子被告に求刑を上回る禁固1年、執行猶予3年の有罪判決(確定)

求刑上回る 禁固1年猶予3年 盛岡地裁判決

 盛岡市の認可外保育施設で2015年8月、預かり保育中だった下坂彩心(あこ)ちゃん(当時1歳)が塩化ナトリウム中毒で死亡した事件で、業務上過失致死罪に問われた施設の元経営者、吉田直子被告(35)に対し、盛岡地裁(中島経太裁判官)は14日、求刑(罰金50万円)を上回る禁錮1年、執行猶予3年の判決を言い渡した。

 判決によると、腎臓などが十分発育していない1歳児には食塩を与えないか、ごく少量にとどめる注意義務があったのに、15年8月17日~18日未明ごろ、彩心ちゃんに食塩を加えた乳幼児用イオン飲料を飲ませ、中毒死させた。

 吉田被告は昨年7月、危害を加える意図があったとして傷害致死容疑で岩手県警に逮捕されたが、盛岡地検が処分保留で釈放。盛岡区検は今年1月、業務上過失致死罪に切り替えて略式起訴した。しかし盛岡簡裁が「略式不相当」と判断して、正式な刑事裁判が開かれた。

 彩心ちゃんの両親は今年2月、「過失ではなく、故意による虐待があった」として吉田被告に6270万円の損害賠償を求める訴えを盛岡地裁に起こし、係争中。

出典:https://yodokikaku.net/?p=24429

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盛岡1歳児塩中毒死 父、求刑超える判決に「思い考慮してくれた」
2018/9/15 07:02 産経新聞

 1歳児が塩化ナトリウム中毒で死亡した事件で、業務上過失致死罪に問われた盛岡市の認可外保育施設の元経営者、吉田直子被告(35)に、盛岡地裁が14日、言い渡したのは求刑を超える判決だった。民事訴訟でも「故意に塩を投与した虐待死」と訴えている被害者の下坂彩心(したさか・あこ)ちゃん=当時(1)=の父、亘さん(28)は「罰金で終わるのかなと思っていた。私たちの思いを考慮してくれたかな」と評価した。

 中島経太裁判官は判決で、「乳幼児に与える飲食物に食塩を加えるのは普通でなく、相当量の食塩を摂取させたのは非常識」と指摘。「罰金刑を選択すべき事案ではない」と結論づけた。

 判決後の会見で、彩心ちゃんの両親の代理人弁護士は「禁固刑の選択は難しかったと思うが、被害者に寄り添う気持ちになって、よく決意してくれた」と述べた。その上で、「虐待死だった」と主張、「民事訴訟で明らかにしていきたい」と語った。

 亘さんも、吉田被告が食塩を与えた理由を明かさなかったことに対して、「ただただ腹立たしい」と唇をかんだ。

 一方、吉田被告の弁護人は、求刑を上回る判断について、「現実的にありうる範囲のことなので、驚きはない」と述べた。

 盛岡地検の吉武斉彦(なおひこ)次席検事も「量刑はある程度幅がある。裁判所が厳しく判断したのだと思う」との見解を示した。

出典:https://www.sankei.com/article/20180915-TWU4ZVPFEBN7JC3SZN46DINMUM/


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当初検察は被告人に故意はなく、1歳児に与えた塩分量が異常に多すぎたことについての自覚もなく、通常人では塩分の致死量についての知識がないため、業務上過失致死で略式起訴(罰金刑)しました。それに対して死亡した1歳児の両親は「傷害の故意があり虐待死だ」と主張していたという事案です。


被告人が1歳の園児に塩を加えた飲料水を飲ませた結果それが原因で死亡に至ったとしても、傷害の故意があったとは到底考えられません。また、1歳児に適切な塩分量や致死量について知識がなくとも、被告人である園長は医師でも看護師でもないのですから、過失があったかどうかすら判断がむずかしいでしょう。


塩分を多量摂取した結果が比較的軽い症状で完治したなら、不起訴案件であったと思います。しかし死亡という結果の重大性と被害者遺族である園児の両親の強い怒りの感情(「故意に塩を投与した虐待死」と訴えている)に裁判所が突き動かされる形で、『中島経太裁判官は判決で、「乳幼児に与える飲食物に食塩を加えるのは普通でなく、相当量の食塩を摂取させたのは非常識」と指摘。「罰金刑を選択すべき事案ではない」と結論づけた』のでしょう。つまり裁判所は被害者遺族の感情に配慮して異例の厳罰判決を下したのです。





事件が起きたのは8月。1年でもっとも暑い時期であり、熱中症や脱水症に気を付けてこまめに水分を摂るだけでなく塩分補給も忘れないように、との情報が毎日のようにメディアを通してさかんに言われていた頃です。園児の様子がおかしいことに気づかず死亡に至るまで塩分を含んだ飲料水を与え続けたことに過失があったにしても、実際のところはどうだったのでしょう。


死亡した園児はまだ1歳ですので体調不良を自分で訴えることができず、泣き続けていたのではないでしょうか。園長はそれを喉が渇いているせいだと勘違いして塩分を含んだ飲料水を与え続けた。実際には園児は多量の塩分摂取による喉の渇きと体調不良により泣いていたのでしょうが、園長はそれに気づかなかったのでしょう。被告人が園長ではなく、母親であったなら過失致死で不起訴という結果になっていたでしょう。






判決後の会見で、彩心ちゃんの両親の代理人弁護士は「禁固刑の選択は難しかったと思うが、被害者に寄り添う気持ちになって、よく決意してくれた」と述べた。


ボクが引っかかるのはこの点です。海水のように明らかに塩辛い飲料水を飲ませたなら傷害致死罪もありうるかもしれませんが、それにしたって被告人の園長に園児に傷害を加える動機があったとは思えません。民事訴訟は和解で終わっていますから「虐待死=傷害致死」についての判断はなされなかったと思われます。


「被害者に寄り添う気持ちになって」とは裁判官の言葉ではなく園児の両親の代理人弁護士(おそらくは民事訴訟の弁護人)の言葉ですが、たぶんそのとおりでしょう。裁判官は被害者遺族の怒りと悲しみの感情に寄り添って、つまりは被害者に同情して司法(=国家)による『代理復讐』として厳罰を科したと言い換えることができるでしょう。でも、『代理復讐』は司法が本来あるべき姿でしょうか?





近代刑法において、刑罰は復讐目的で科されるべきものではありません。




今後こうした痛ましい事故が起こらないようにするなら起訴されて有罪判決を受けるだけで十分なはずです。この保育園はこの事件により廃業に追い込まれましたし、園長が刑事責任を問われて有罪判決を受けただけで同業者に対する注意喚起は十分だったんじゃないでしょうか。つまり過失の抑止力としての効果を期待するなら刑事罰に処せられたと言う事実だけで十分ではないかとボクは思うのです。


裁判所としては遺族に同情して求刑を超えて「禁固1年、執行猶予3年」の判決を出したわけですが、執行猶予付きとはいえ過失犯に禁固刑を科すのは厳罰と言えるでしょう。被害者がかわいそうだから被告人に厳罰を科すという裁判の在り方は本来近代司法の考え方を逸脱しているとボクは思うのです。


もちろん故意犯である殺人罪などに関しては動機や殺害方法などから被害者がいかに無念だったか苦痛だったかを推測勘案して被告人に厳罰を科すこともありうるでしょう。しかし過失犯に対して被害者感情を考慮して厳罰に処するというのは、近代刑法の理念を逸脱しています。


たとえば交通事故で被害者が死亡した場合でもドライバーが交通規則と注意義務を遵守していた場合は不起訴になりますし、注意義務違反が比較的軽微な場合は略式起訴で罰金刑の判決になる場合が多いのです。それはそうでしょう。結果が人の死という重大な結果であっても、その原因が故意か過失かではまったく扱いが異なるのは当然でしょう。だから近代刑法では原則として過失犯を処罰しないのです。





『被害者遺族の怒りに配慮して被告人を厳罰に処す』 というのは、明らかに復讐であり、時代錯誤な司法判断だとボクは思います。









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龍顔の指輪





AliExpress に注文していた『龍顔の指輪』が届きました。

注文から2~3週間ほどで届いたので早いほうだと思います。

宅配のお兄さんがわざわざ手渡しで届けてくれました。感謝。




今年は辰年ですからね。龍グッズは欲しいと思ってたのですが。

何種類もある中でコレを選んだのは偶然みたいなものです。

通販で買う中国製の指輪の出来は当たりはずれがあるのです。







この龍の指輪はボク的には当たりでした。気に入りました。

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龍の口が開いていて牙も細かく表現されてます。いいなぁ。うん。

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値段は送料込みで1000円でした。
材質は不明ですが、値段からすると銀ではありません。

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色合いが違って見えるのは撮影の際に調整したからです。
実際は暗い銀色で、銀製品のような温かみはありません。

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本当は実物を見て買いたいんですけどね。
国内店舗で買うともう少し値段が高いかもしれません。

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この指輪は以前に紹介した仏頭の指輪と違ってフリーサイズ仕様になっているのでボクの白魚のような指?にも入ります。大きさは10円玉と同じくらいです。指にはめてみるとけっこう大きいですが、これくらいの大きさでないと龍の顔が潰れてしまうでしょう。『龍顔の指輪』というのはボクが勝手にそう呼んでるだけで商品名でありません。中国では『龍顔』には『皇帝』を表す意味もあり、皇帝に謁見することを「龍顔を拝す」という言い方があるそうです。



十二支の中で唯一架空の瑞獣として入っているのが龍です。ちなみに中国の干支では猪が豚になっており、十二支をモチーフにしたアクセサリーでは豚がデザインされています。十二支としての豚以外でも豚は富と繁栄の象徴とされているようで、豚デザインのペンダントトップやオブジェなどがAliExpressで多数売られています。中国人の友人がいないのでわかりませんが、「豚野郎」などという罵言は中国語にはないのでしょうかね。韓国では「犬野郎」という罵言があるそうで、国によって動物のイメージが違うのでしょう。








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仏頭リング




AliExpress で買った『仏頭リング』。

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10円玉と比較。かなり大きい。

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リングのサイズもかなり大きい。明らかに男性用。

小さいサイズもあったのかもしれないけど。

ボクの指だと抜けて落ちてしまうので付けられません。





実際にこんなの付けてると目立ちまくりでしょう。

金持ちの中国系のおじさんが付けていそう。

その場合、18金とか純銀とかそんな素材でしょうね。








テーマ : 仏教・佛教
ジャンル : 学問・文化・芸術

男女合体仏




AliExpress で買った男女合体仏(ヤブユム)。



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・・・なのだが、よーく見ると不思議な点が多い。




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男仏が右手に持っているのは、宗教的な祭具などではなく、桃なのだ。

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さらに、左膝に乗せた左手の上にはネズミが乗っている。(赤い線で囲った部分)
お供え物は、だんご?が盛られている。(黄色い線で囲った部分)

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女仏が左手に持っているのは祭具ではなく、花のように見える。

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うーむ。


古来中国では『桃』は不老長寿を表し、『ねずみ』は子孫繁栄を表す。そして女仏が持つ『花』は何の花かよくわからないが観音仏がよく手にしているもの。供え物の『だんご』を表現するのもちょっとおかしい気がします。『だんご』を供えるのは問題ないですが、それを仏像そのものに加えるのって変でしょう?それとも五穀豊穣とか別の意味があるのでしょうか?


なんかね。じっくりこの像を見てると道教とチベット仏教を混交させた中国人好みのオリジナル男女合体仏のような気がします。両手に桃とねずみを持った仏像ってボクの知る限り見たことがないです。中国人にとっては祭具を持った男女合体仏より、せっかく男女が子作りしてるんだから回春の象徴でもある『桃』と子孫繁栄の象徴である『ねずみ』を組み合わせたほうがわかりやすくていんじゃね?的なノリでこれをデザインしたんじゃないかなと思います。ちなみに本物のヤブユムは父普賢菩薩と母普賢菩薩が性的に合体している像ですが、だからといって子作りを目的としているわけではなく、性的ヨーガにより悟りに至るためのイメージ像らしいです。


ところで『道教』って神仙思想とかでしょうかね?その点不勉強なボクにはよくわからないのですが、不老長寿と子孫繁栄を願うという点では日本の道祖神信仰と通じる部分がありますよね。ボクが以前に住んでた場所付近で出会った道祖神の石像は、女性が両足を開いて女性器を見せているという衝撃的なモノでした。最初はブイ字型の中心にごにょごにょした葉っぱみたいなのが彫ってあって、『?』と思って凝視していたのですが、『あっ!』と謎が解けると、とたんに恥ずかしくなりました。花とお米が供えてあったので手を合わせる人がいるのでしょう。


今ならスマホで写真撮ってネットにあげるのですが、当時はそんな便利なツールは持ってなかったですからね。とにかく強烈な印象だけが脳裏に焼き付いています。うーむ。そういえばあの頃はエッチな本や大人のおもちゃの自販機があって、ビニール製のダッチワイフ(人型で浮き輪みたく空気を入れて膨らませて使用する)までありましたね。ちなみにダッチワイフは5000円でした。









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ビキニ女性像





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真鍮製のビキニの女性像です。

実は、高さが2cmほどしかありません。





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ヌードじゃありません。ちゃんと水着を付けてます。

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首をちょっと傾げているところがチャーミングです。

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腰のくびれとお尻がキュート。

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1円との比較。

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1円玉に座るとぴったり!

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このキュートで小さいビキニ女性像が何のために作られ販売されているのかは不明です。ペンダントトップにするなら頭にチェーンを通す輪が付いてなければ使えませんが、このビキニ女性像には何も付いていません。オブジェとして飾るには小さすぎますしね。と言いつつ、ボクはこれを350円(送料込み)で買ったわけですから、ボクのようなコレクター向け商品なのでしょう。実際、ボクのベッドの棚には小さくてキュートな金属製の人物像が並んでいます。寝る前にこれらをひとつずつ眺めるのがボクの密やかな楽しみなのです。










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京アニ放火殺人の判決について思うこと。




京アニ放火殺人




京アニ判決について冷静に考えてみたいと思います。


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京都アニメーション放火殺人事件の判決要旨
2024/1/26 07:00 産経新聞



京都アニメーション放火殺人事件の京都地裁判決要旨は次の通り。


【主文】

被告を死刑に処する。


【責任能力】

被告は犯行当時、心神喪失でも心神耗弱の状態でもなかった。責任能力は多少低下していたとしても、大きな減退まではなかった。


【鑑定】

犯行当時の妄想の影響は限定的とする起訴前の鑑定と、重度の妄想性障害だったとする裁判所が選任した医師による鑑定を検討。起訴前の鑑定は、闇の組織について被告は医師に供述しておらず、重要な前提事実が欠けていたと言わざるを得ず、判断過程に重大な遺漏がある。一方の起訴後の鑑定に問題はない。


【妄想性障害】

起訴後の鑑定によれば、被告は犯行当時、妄想性障害に罹患(りかん)していた。いずれの鑑定からも、独善性、猜疑心(さいぎしん)が強い、怒りやすい、攻撃行動をしやすいという性格傾向があると認められる。


【動機】

起訴後の鑑定によれば、闇の組織や公安警察から監視される生活が続き、精神科への通院や訪問介護もなくなり、世間とつなぎとめるものがなくなったなど、周囲への不信感を募らせ、孤立する状況になっていた。

その中で、自分の小説のアイデアを盗用し、応募した小説を落選させた上に利益を上げ続ける京アニも、自分と結婚したいと言いながら結局はたたき落として、スターダムの階段を上っていく京アニ監督も許すことができず、それが続くか終わらせるかを選ぶしかないという考えに至り、犯行を決意した。

被告は「やられたらやり返す」との考えから、盗用された仕返しとして報復を決意。「言っても無駄だ」「知らないのは悪だ」との考えから、抗議するなど合法的な手段を検討せず、盗用を知らない従業員も全員連帯責任を負うものとして京アニを狙うことにした。


【妄想の影響】

被告は秋葉原無差別殺傷事件に共感し、大宮駅前で大量殺人をしようとしたが断念。犯行はこのような考え方により大量殺人を選択し、妄想の影響はほとんど認められない。

妄想は善悪を区別する能力に影響を及ぼさない。放火殺人を「よからぬこと」と考えていた良心の呵責(かしゃく)があり、周囲に怪しまれないように行動するなど、犯罪に当たることの認識を前提とした合理的な行動を取った。

消費者金融やマージャン店での放火殺人事件に関する知識から導き出された被告自身の判断であり、妄想ではなく被告の意思で、最終的に放火殺人という手段を選択した。犯行を思いとどまる能力は著しく低下していたとは言えない。


【量刑理由】

36人もの尊い命が奪われた結果は重大で悲惨。普段どおり働いていたところ、突然一瞬にして地獄と化したスタジオで炎や黒煙、熱風に苦しみ命を落とした被害者らの恐怖、苦痛は計り知れず、筆舌に尽くしがたい。遺族らの悲しみ、苦しみ、喪失感、怒りは深く大きい。

犯行は強固な殺意に基づく計画的な犯行である。ガソリンを大量にまいて火をつける行為は、生命侵害の危険性が極めて高く残虐非道だ。建物の構造の影響は限定的であり、刑事責任が減じられるものではない。

恨みを晴らす手段として大量に殺害することは、人命を数としてしか評価しない非人間的な思考で、理不尽かつ身勝手だ。

妄想性障害により、小説のアイデアを盗用されたとの妄想を解消できずにいることは無理からぬところがあるが、被告は被害の実態や被害者の実情に十分向き合えていない。真摯(しんし)な反省はなく改善は期待できない。尊い命を顧みず36人の命を奪った罪責は極めて重く、動機の形成に妄想性障害が影響していること、犯行に至る経緯・背景に、被告に帰責できない面があることを考慮しても、死刑をもって臨むほかない。



出典:産経新聞『京アニ判決』




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皆さんご存じ京アニ放火殺人事件の被告人青葉真司被告に対する第一審判決の要旨です。被害者数は死亡者だけで36人という未曽有の放火殺人。しかも動機は自分が応募した小説のアイデアが盗用されたと思い込んでその恨みを晴らすために京アニに対して復讐を決意して計画的犯行の及んだという。判決文全文が見つけられなかったので産経新聞の記事を引用しましたが、真相を解明でき妥当な判決が出されたと言えるでしょうか。ボクはこの判決にちょっと疑問を感じています。





まず被告人である青葉真司が主張する京アニによる盗用があったのかどうかがこの記事ではまったく言及されていません。ボクも『涼宮ハルヒの憂鬱』のラノベを読みまし、アニメも全部観ました。エキセントリックな美少女に振り回されるというプロット自体はそれほど新奇性があるわけでなく、青葉真司が書いて応募したという小説もそういうプロットを根幹に用いた小説だったのかもしれませんが、どんな小説だったのか公開されていません。


青葉真司が犯行に至った動機は自分が応募した小説のアイデアを京アニが盗用したと思い込んだという点ですから、盗用があったかどうかについても言及がなければならないでしょう。判決文全文を読んでないのでその点わかりませんが、まず青葉真司が応募した小説全文を一般公開して『涼宮ハルヒの憂鬱』のアニメと比較して類似点があるか否かを検討すべきではないでしょうか。応募した原本は消失してしまったのでしょうか。青葉真司は京アニに応募した小説のコピーを取っておかなかったのでしょうか。原作者の谷川流に対しては恨みを持っていないということは、青葉真司は原作ラノベを読んでいなかったのでしょうか。その点もまったくわからないというのがモヤモヤします。





もう一点は、裁判所は『動機の形成に妄想性障害が影響していること、犯行に至る経緯・背景に、被告に帰責できない面があることを考慮』しながらも減刑しなかったことです。36人死亡という『結果の重大性』を考えれば死刑以外の選択肢を取ることはできなかったという意味でしょうか。もし死亡者が1人だけなら無期懲役に減刑できたという意味でしょうか。


青葉真司は京アニの従業員らをひとりずつ銃殺したり刃物で刺して殺したわけではありません。放火に殺人の故意はあってもまさか36人も焼死するとは思っていなかったんじゃないでしょうか。また、一度の放火で36人も焼死したということは京アニの職場情況としてたくさんのアニメーターらがすし詰めのような状態で仕事しており避難路の確保や消火器の設置など火災時の備えも十分でなかったのではないかと想像できます。通常の失火による火災でも同じような被害が出た可能性があります。自宅ではなく会社の職場ですからね。そっちの方の責任は十分に問われたのでしょうか。


『起訴後の鑑定によれば、闇の組織や公安警察から監視される生活が続き』とありますが、『闇の組織や公安警察から監視される生活』と本人が思い込んでいる症状って、統合失調症の症状じゃないですか? だとしたら青葉真司は単なる妄想性障害じゃなくて精神病なわけで、心神耗弱が認められる余地があると思うのですけれど。統合失調症による心神耗弱状態だったならば刑法上必ず減刑されねばならず、判決では死刑を減刑して無期懲役刑でなければならないことになります。





以前に最高裁が示した永山基準では、殺人罪の被害者(死亡者)が1人だけならば死刑にできず、2人以上の場合に死刑を検討するという内容でした。これが批判されて今では事情と状況次第では1人しか殺していなくても死刑判決を出せることに変更されました。しかしこの永山基準の変更は殺人罪の被害者(死亡者)が2人以上ならば必ず死刑にするという趣旨ではありません。死刑判決を下すかどうかは殺人罪の被害者(死亡者)の人数とは別に検討するというものです。


逆に解釈すると36人も死亡者を出した殺人事件だからという理由で即死刑ということにはならないということです。青葉真司には犯行前に京アニの建物を見上げて、「この建物にいる京アニ職員全員を皆殺しにしてやる」というテロリストのような固い殺意があったでしょうか。ボクにはそこまでの殺意はなかったような気がします。「みんな死んでしまえ」と漠然と思っただけで放火の際に京アニの建物に何人の職員がいるかも知らなかったんじゃないでしょうか。





なんかね。36人も死亡者を出した前代未聞の放火殺人という印象が強烈過ぎて、死刑判決ありきの裁判だったような気がします。死刑にするために必死に青葉真司を治療して生かした。そんな気がします。青葉真司の精神状態や動機に注目すれば死刑にするほどのこともなく、結局は36人死亡という結果の重大性が死刑判決を決定させたのでしょう。













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インド女神像 その2





前回、名前不明のインド女神像について書きました。


今回は『ドゥルガー』という名前の人気女神像を紹介します。



ドゥルガーは軍神なので、手に持っているのは全部武器らしい。
IMG_6547_01_400x.jpg



これはライオンに乗ってるバージョン。
他に、トラに乗ってるバージョンもある。
IMG_6548_01_400x.jpg



光背? のウラ面がツルツルなのがちょっと不満。
オモテ面と同じような装飾を施して欲しかったな。
IMG_6549_01_400x.jpg



が、ライオンの背中の敷物の絵柄が美しい。(´ ゝ`)
IMG_6549_02_400x.jpg







『ドゥルガー』については画像検索していただければたくさん見つかりますので、カラーで見たい方は是非ともご覧になってください。


インドライオンは今は希少ですが昔はたくさんいたのでしょう。やっぱね、たてがみが派手なので私はトラバージョンよりもライオンバージョンが好きです。






実はコレも以前にマライカで買ったのですが、2500円でした。大きさは高さ8センチ程度。ずっしりと重い真鍮製です。これはお得なお値段。人気のドゥルガーですし、5000円くらいしても不思議はありません。もしや値札が間違いかと思ってレジで確認したうえで買いました。


実はねー。これとほぼ同じ大きさとデザインのトラバージョンのドゥルガーも置いてあったのですが、値札を見るとまさかの7500円。通販ならこれくらいの値段で売られていてもおかしくないのですが、マライカの商品としてはちょっと高すぎな感じ。円安の最近仕入れたモノなのでしょうかね。


というか、ライオンバージョンが2500円なのにトラバージョンが7500円て・・・おかしいでしょ。たまたま仕入れ先が違っていて仕入れ値が3倍も違っていたのかもしれません。この大きさと重さと出来でこんな高いの? っていうのは、こうした商品ではよくあること。値段なんてあってないようなものなのです。特に通販で売られているエッチな特徴がある商品だととんでもない値段が付いていることも珍しくありません。


エッチな特徴というのは、はっきり言ってしまうと女性器が表現されているモノです。いわゆるワレメちゃんが股間に付いているモノ。たまに見かけますが、ぼったくりな値段が付いていることもままあります。男女結合状態が表現されてるモノはもはやマニア向けですからぼったくられても仕方ないでしょう。


ですが、ライオンが2500円でトラが7500円というこの値段の差はどう考えてもおかしい。仕入原価が2割程度としても、3500円くらいが妥当。これはまーインド神像コレクターとしてのボクの勝手な判断ですので、「7500円でもオレは買うぞ」という方もいらっしゃるでしょう。







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インドの女神像





ここ数年は中国製の真鍮製ミニチュアにハマっていたのですが、久しぶりにマライカに行ってきました。以前通っていたマライカはショッピングモールの一角の一店舗に過ぎなかったのですが、なんと国道沿いに3階建ての店舗を構えていました。しかも、本格コーヒーショップ付きで。


ボクが大好きな真鍮製ヒンドゥー神像は2階の一角にありました。いやー壮観でしたね。数十万円?の巨大神像から数百円のミニチュアまで神像がいっぱいありました。ガネーシャを中心とするミニチュア神像コレクションはすでに100体近くになっており、そこそこ満足しているのでこれ以上収集する意思はなかったのですが、ハートにズキューンとくる神像を見つけてしまいました。


大きさとしては高さが20cmクラス。かなり重い。この大きさのクラスになると1体が5000円~10000円が相場。それでもネット通販よりはマライカのほうが、かなり、リーズナブル。通販だと1万円どころか数万円の値段がついてたりします。4500円か。うーむ。欲しい。がっ!ツレも一緒なので簡単に購入するわけにはいきません。ツレはボクの趣味を許してくれてはいるものの、以前にボクのお宝をリサイクルショップに二束三文で売り飛ばしたことがあるのです。代金はもちろんツレのお小遣いになりました。(-_-;)


それが、コレ。
IMG_6542_01_350x.jpg


この神様、一体誰なのか名前も書かれておらず、値札も裏面に古ーいのが張り付けてあるだけ。細かな造りはインドっぽく雑で、思うにかなり長期間売れないまま展示されてたもよう。色もくすんでおり、装飾もほとんどない。一緒に展示してある神像にはタグで値札が付いていて、神様のお名前が表示されていたりするのですが、この神様についてはなんの説明もない。


ボクがズキューンときたのは、この上半身裸の女神様が何も持たずただ座っているだけというシンプルさにありました。仏像にたとえると弥勒菩薩半跏思惟像に感じる簡素でストレートな魅力ですかね。



IMG_6544_01_350x.jpg





どうですか?
おわん型の豊かな胸と見事な腰のくびれ。
グッときませんか?

IMG_6545_02_400x.jpg







・・・で、結局、清水の舞台から飛び降りる決意で購入しました。ツレは反対こそしなかったものの、冷たい視線。家に帰ってから、この豊かな胸とくびれた腰の女神様が誰なのか、ネットで検索してみました。『インドラ』の名前でオークションに出されていた画像を2枚発見しました。


ポーズは異なるものの女神らしい。雰囲気が似てる。
インドラ_01_350x


ポーズがよく似てるが、こちらは男性と思われます。
インドラ_02_350x





『インドラ』についてウィキペディアの記事を引用してみます。


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インドラ(梵: इन्द्र、Indra)は、バラモン教、ヒンドゥー教の神の名称である。省略しない名称は「サンスクリット語: śakro devānām indraḥ、パーリ語: sakko devānaṃ indo」で「神々の帝王であるシャクラ」を意味する。「シャクラ(梵: śakra)」や「サッカ(巴: sakka)」とも呼ばれる。

デーヴァ神族に属する雷霆神、天候神、軍神、英雄神である。ディヤウスとプリティヴィーの息子。 特に『リグ・ヴェーダ』においては、最も中心的な神であり、ヴァルナ、ヴァーユ、ミトラなどとともにアーディティヤ神群の一柱とされる。また、『ラーマーヤナ』には天空の神として登場する。

漢訳では、因陀羅・釋提桓因・帝釈天・天帝釈・天主帝釈・天帝・天皇などと書かれ、特に仏教における帝釈天の名で知られている。


概説

インドラ神のルーツは古く、インド=イラン共通時代までさかのぼる軍神であり、紀元前14世紀にヒッタイトとミタンニとの間で結ばれた条文の中に名前があることから、アーリア人の移動とともに小アジアやメソポタミアなどでも信仰されていた神であったことが確認されている。

(中略)

時代を経るとインドではデーヴァ(神々)の王とされ、イラン(ゾロアスター教)ではダエーワ(悪魔)とされた。

(中略)

バラモン教の時代

最初期の神々への讃歌集『リグ・ヴェーダ』においては、全1200編の讃歌の中でインドラに捧げる讃歌が約4分の1と最も多く、配下に暴風神マルト神群を従えて敵を倒し、アーリア人を保護する理想的な戦士として描かれており、神々の王の位置づけを与えられていた。髪や髭を含めて全身が茶褐色だとされ、神酒ソーマを好み、強大な力を発揮する武器ヴァジュラを持つとされた。

(中略)

ヒンドゥー教の時代

リグ・ヴェーダの時代には神々の中心とも言える絶大な人気を誇ったインドラも、時代が下り、ヒンドゥー教が成立した時代になれば影が薄くなる。「雷を象徴する強力無比な英雄神」として、変わらず重要な立場にある神であることは間違いないが、神々の中心の座はシヴァやヴィシュヌなどに譲ってしまい、代わって世界を守護するローカパーラ(世界守護神)の地位に落ち着いている。 四方にそれぞれ神が配置され[要出典]、インドラはその中でももっとも重要とされる東方の守護神の地位に位置づけられた。

インドラの性質はやや変容し、一部の面が強調された。例えばインドラは女性と、時には夫のある女性ともしばしば関係を持った。ある時は、アスラ神族の王から娘のシャチーを強奪し陵辱した後結ばれている。強奪婚を実行したうえ天界中を戦乱に巻き込みようやく愛を勝ち取ったにもかかわらずインドラはヴリシャーカピと男色にふけったため妻シャチー(インドラーニー)は激怒する。さらにインドラは両性具有者である。インドラはウリシャナシュヴァの妻とも呼ばれ、ウリシャナシュヴァの家族として女として住んだとされる。このためインドラは別名「メーナー」とも呼ばれる。また、ガウタマ聖仙の妻アハリヤーと関係を持った際には、1度目は全身に女性器の印を一千個も付けられる呪いを、2度目は自身の性器を奪われるという呪いをガウタマ聖仙から受けた。

(中略)

仏教のインドラ

インドラは仏教に取り込まれて、仏教の守護神である天部の一尊である帝釈天となった。帝釈天の名はインドラの梵語名「śakro devānām indraḥ」の「indra」を「帝」と意訳し、「śakra」を「釈」と音訳し、後部に「天」を加えたもの。梵天と並ぶ仏教の二大護法善神とされる。武器である「金剛杵」を手に持ち雷を操る。金剛杵は、密教やチベット仏教における重要な法具として用いられる。


朝鮮神話のインドラ

朝鮮神話(檀君神話)においては、天神「桓因」と書かれる。これは、「śakro devānām indraḥ」の音写である「釈迦提桓因陀羅」を略して「釋提桓因」、さらに略して「桓因」としたものである。



出典:ウィキペディア『インドラ』


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ボクが買った女神像が『インドラ』だという確信はまったく持てませんでした。それにしても男神であるはずの『インドラ』が両性具有であるとは驚きました。『インドラはウリシャナシュヴァの妻とも呼ばれ、ウリシャナシュヴァの家族として女として住んだ』なら、この女神が『インドラ』ではないと断言もできません。


しかし仏教では『帝釈天』とされる『インドラ』が、かつてはトップクラスの大神(軍神)であったとは知りませんでした。ウィキペディアの説明はカオスでほぼほぼ理解できませんでしたけど。そういえば仏教の『梵天』はヒンドゥー教の『ブラフマー』のことで万物の創造をつかさどる最高神でしたね。









脇侍を置いてみました。
どうですか?

IMG_6551_01_400x.jpg


ちなみに脇侍は10年以上前にマライカで購入したものですが誰だかわかりません。ハート形のお盆は燈明らしいです。造りが似ているので違和感なく個人的満足度は100%です。(´ ゝ`)











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前前前世はこんな感じ。

来世はないほうがいいかな。

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少しですが創作話もあります。

読んでもらえると嬉しいです。

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つまんない記事はスルーしてね。

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